episode152 ワインとライム

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かくれんぼは 大きくなってからもよくやった。 いつだって俺が鬼だった。 あいつを捕まえて 捕まればとびきりの罰を与えてやるんだ。 あいつは間抜けだから 必ず何かしら証拠を残してゆく。 いや それは俺に見つけて欲しくて。 罰という名のご褒美が欲しくて。 きっとわざとそうしていたに違いない。 「ん……?」 廊下の先。 目を凝らして見れば点々と 「ほうら、やっぱり」 行き先を指し示すかのように 薔薇の花びらが落ちていた。
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