episode152 ワインとライム

17/30
前へ
/30ページ
次へ
2人は 夜のテラスにいた――。 差し込むのは月明かり。 薫が持ってきた音楽か。 「踊ろう、和樹」 ステレオからかすかに流れる ワルツのリズムに2つの影が揺れる。 純白の寝巻に 足首まであるナイトガウンを羽織ったあいつは。 「そう、上手だ。体はちゃんと覚えているんだね」 ゆりかごの中にいる赤ん坊みたいな顔して。 九条敬の胸に 大切に大切に抱かれている。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

344人が本棚に入れています
本棚に追加