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「酔ってるのか?あんな真似して!」
「待て待て。酔ってはいる。酔ってはいるが、あんたの言うあんな真似したのは酒に酔う前だ」
「何だと?」
だったらなおさら悪いとばかり
正義感と愛に溢れた義兄は
足元もおぼつかない俺の胸倉を掴んだ。
「征司くん、君ね――いったい何考えてる?」
本当は一発殴りつけたいところだろうが
九条敬は根っからの紳士だ。
「和樹が大変な時に君が取り乱してどうするんだ?」
拳をおさめ
声を荒げることもせず
努めて冷静に振るまおうとする。
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