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「知ってるか?おまえのここは葡萄みたいな匂いがするんだ」
しゃぶりつく。
柔らかい果肉を噛み潰すように。
「まだ青い――熟していない」
執拗に責め立ててやれば
「だけど甘い」
それまで一定だった和樹の呼吸が
目に見えて乱れ始める。
「ここが好きだろ?お兄様は――他にもいっぱい知ってるぞ?」
自分に何が起こっているのか
分からない子供みたいに。
背中を反らせ
肩越しに俺を振り返る
潤んだ流し目。
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