episode152 ワインとライム

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「俺は取り乱してなんかいない――いつもと何も変わらないだけだ」 嘘じゃない。 支配して 好きにあいつを弄ぶ。 それが一番 あいつ自身が喜ぶことだし。 今だってそう 意識の下じゃ求めてるはずさ。 「違うだろ!」 揺さぶられグラリとよろめく。 「君が気に食わないのはいつも僕だろ?和樹に当たるな!」 気に食わないだって? 笑わせる。 「ふざけんな……」 義兄の綺麗な顔が二重に見える。 まるで船酔いしているみたいな気分だ。
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