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「いいやまだあるぞ」
和樹に劣らず美しい喉元を
切り裂くように見下げて俺は囁いた。
「俺の目をそんな風に真直ぐ見るな」
今は特に。
自分を抑えられそうもない。
「――殺してやりたくなる」
心の声が
小さな舌打ちと一緒に
緩んだ口端から零れ落ちる。
「恐ろしいだろ?少しぐらい驚いたらどうだ?」
百も承知だって顔しやがって。
腹を抱えて笑った。
そのまま脱力し
崩れ落ちたのは俺の方だった。
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