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episode152 ワインとライム
その夜遅く。
ノックもなく派手に開く部屋の扉。
「いるんだろ!どこだ?」
貴公子が――。
決闘を申し込みに来たみたいに意気込んで。
「見つけた。どういうことか説明してもらおうか?」
ほら
ベッドルームまでお出ましだ。
「これはこれはお義兄様。こんな時間までネクタイ締めて働いて――これから大きな赤ん坊のお世話ですか?ご苦労なこった」
俺はと言えば
夕飯時から大分飲み。
ベッドサイドに転がるワインの空き瓶を
まともに数えることさえできない始末だ。
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