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一か月で俺は、運投資の素晴らしさについて身をもって知ることとなった。
バイトの休日を利用してパチンコ店に通うこと計五回。
全戦全勝だった。
運投資総額40万フォルト。
回収金額39万2千円。
多少のブレはあるものの、その全てでほぼ投資額通りの現金を手にすることが出来た。
バイトも継続していたおかげで生活にはかなりの余裕が出てきた。
俺の運残高は8万9千フォルト。
これはいざとなったときのために取っておくとして、来月はバイトも減らしてどこか旅行にでも行こうかと、俺はネットで旅行会社のサイトをネットサーフィンしていた。
ベッドに寝転がってのんびりサイトを眺めていたとき、見知らぬ番号から電話がかかってきた。
「はい。もしもし」
普段なら見知らぬ番号からの電話は警戒して出ない俺だが、金の余裕は心の余裕を生む。
上機嫌で出た電話の相手からは焦った様子で捲し立てるように話しかけてきた。
「もしもし!相沢拓斗さんですよね!?共栄病院の者ですけど!お母様が……」
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