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運のご利用は二十歳から
「いらっしゃいませ!」
俺が自動ドアをくぐって適度に冷房の効いた建物の中に足を踏み入れると、白いブラウスの上にチェックのベストをぴしっと着こなした二十代半ばの女性が笑顔で頭を下げた。
まるで腰以外に間接が存在しないんじゃないかと思わせるスマートな動きで顔を上げた女性に、俺はショルダーバッグから取り出したハガキを差し出した。
「これ、家に届いてたんですけど。ここの銀行で間違いないですよね」
女性は「拝見いたします」と言って両手でハガキを受け取り、両面を素早く確認するとアイメイクばっちりの力強い目線をこちらに向けた。
「相沢拓斗(あいざわたくと)様。成人、おめでとうございます。四葉銀行へのご来店、誠にありがとうございます」
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