恋雨傘

2/18
前へ
/18ページ
次へ
仕事の帰り。 コンビニで、毎週買ってる雑誌と、炭酸飲料と、50円引きセール中の塩ダレ焼き肉弁当を買って外にでると、雨が降っていた。 天気予報のお姉さんが今日は1日晴れです、って言ってたのでもちろん傘など持ってない。 かと言って、体はクタクタで、立ち読みして時間を潰す気力も無い。 でも仕方ない。 急いで走れば10分もあれば家に着く。 そして、雨で濡れる道路へ飛び出そうとしたとき、突然隣から声がした。 「傘、あるよ」 そこには、全身黒ずくめの老人が居た。 薄気味悪かったので無視して行こうとすると、腕をつかまれた。 そして、傘を強引に手渡され「ちょっとやめてください」と、老人の顔を見ようとすると、不思議なことにその姿はもうどこにも無かった。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加