恋雨傘

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すぐに体が雨で濡れていく。 急いで拾って、頭の上に戻す。 「大丈夫ですか?」 また声がした。 そして、隣を見ると、同じ傘の下に女性が立っていた。 「わっ!」 僕は、また傘を落としてしまった。 雨は容赦なく、降り続けている。 急いで拾って、頭の上に戻す。 そーっと、隣を見てみる。 「それ以上、雨で濡れたら、風邪引いちゃいますよ?」 やはり女性はいた。 同じ傘の下、なかなかの密着度にドキドキする、というかそれ以前になんなのこの人? って思ったけど、よく見ると凄く綺麗な顔をしている。 なんか怪しげな勧誘かと思ったのだが、そうと分かれば断れば良いだけ。 こんな綺麗な人との相合い傘には悪い気はしない。 「どうされました?」 僕は謎の女性と同じ傘の下、大雨の中を歩いて行った。
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