恋雨傘

6/18
前へ
/18ページ
次へ
そうこうしてるうちに、もうすぐ僕の家に着く。 さて、どうしよう。 このまま家の中に誘っちゃっていいものか? そんな、会ってすぐの女性を家に呼ぶって、ちょっとやばいよな? と言うか、僕がやばいとか思う以前に、さすがに彼女が断るだろ。 でも、なんか良い雰囲気だし……と、色々勝手に考えていたら、いつの間にか雨が止んでいた。 そして、隣を見ると彼女はもう居ない。 あっ、変な事考えてたから嫌われちゃったかな? まあ、しょうがないか。 僕は、真っ赤な傘をそっと閉じて、アパートの階段を上っていった。 「ハックション!」 2月の雨は、傘越しでも体に応えた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加