序章。悪夢の始まり。

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『おい!!行くぞ荒城。』 閉めきっていたドアの向こうには部下である荒城巡査部長が待機していたようだ。声を荒げる元調査本部から出ようとした時、安藤警視正が口を開く。 『私は、右も左も分からないヒヨッコだった頃から御前を知っている。此は私の独り言だ…誰かに聞かれる可能性もあるが仕方ない。』 『映像にあった遊園地、あれは、どうやら遺体が発見された場所から北に約十キロほど進んだ場所にあるらしい…巨大なメリーゴーランドが目印だったかな。確か本庁の本格的な調査は明日からだ…まぁ私には関係無いことだがな。』 新井は部屋のドアを開ける前に腰を折り深く礼をして外へと出て行く。安藤は小さく溜め息つきながら、『頑張れよ』と呟くと、椅子の背もたれに掛けた上着に袖を通す。 外に出る二人は駐車場に置かれている白いプリウスに乗車する。当然運転は荒城巡査部長、夏の暑さで車内はサウナのように蒸されていた。 『新井警部ホントに行くんですね?』 『絶対に此の事件は政府が関わってる此を俺達が黙殺しなければならないってのは気に入らない。』 車を走らせること一時間、最初の被害女性が変死体で発見された場所にはビニールテープで区画処理され簡易的な立ち入り禁止措置が施されていた。
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