序章。悪夢の始まり。

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『俺達は警察だ。手帳がある確認してくれ。』 『その場から動くな、此方第五歩哨より本部へ禁止区域内に警官と名乗る二名を発見。』 『本部から第五歩哨、警官の乗り込みは明日より。本部にて事情を聞く、変な動きを見せた場合拘束。第三、第四歩哨は速やかに第五歩哨に合流せよ。』 僅か数分後で無線を受けた二名の自衛官が山頂に走って姿を現す、かなり勾配のある斜面を駆け上がって来たにも関わらず息を荒げる様子はなく肩に掛けたライフルは両手に握られていた。 新井、荒城の前に一人、右に一人、後ろに一人の自衛官が位置した状態で山を降り、約十分歩いた場所に桜から突きだした剣と特殊作戦群と刺繍された旗が立てられた天幕が姿を現す。 天幕の前には歩哨同様の格好をした二名の自衛官が入り口の前に立ち、同行してきた自衛官の一人が其の二人に敬礼をする。恐らく天幕の前に立つ彼等の方が階級が上なのだろう。 『山頂にいた二名を連れてきました。』 『ご苦労様、三名は歩哨位置に戻り、引き続き警戒に当たってくれ。非常に暑い為、水分補給は忘れず行うように。』 『了解。』 新井と荒城を残し同行してきた三名はライフルを肩に掛けなおすと、今歩いてきた道を、まるで荷物の重さなど感じていないかのように早足で戻っていく。
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