序章。悪夢の始まり。

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窓を開けると暑い空気が、エアコンの効いた涼しいの部屋を生温く変える。蝉の鳴き声は止まることを知らず、四方八方から煩い鳴き声が響く。 パトカー、救急車がサイレンを鳴らしながら慌ただしく一時停止した車を抜きさり目的地に向け疾走する。この暑さでは、熱中症で倒れる人の数も少なくない。 今は夏。学生は楽しい夏休みの真っ最中。しかし、ここ最近のニュースは『行方不明続出』と此の話題で持ちきりであった。 行方不明者の身体的な共通点はなく性別、地域に関係なく、出掛けたまま行方が全く分からなくなっている。 唯一の共通点と言えば夜中に行方不明者達が数名で出歩いている姿を目撃した人がいると言う事、年齢が十代後半から二十代後半と若い世代である事だ。 枕元に置いていた。仕事用の携帯電話が鳴る。この事件が始まってから、まともに休んだ記憶がない…着信元は荒城巡査長部長。連続失踪事件捜査班の一員からであった。
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