序章。悪夢の始まり。

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ため息混じりに電話を受けると、話しかけてくる声は若い男性、明らかに慌てている様子が声だけで聞いて知ることが出来る。また新たな失踪者が現れたのだろうと思っていたのだが…その予想は外れた。 『新城警部大変です。行方不明者リストに入っていた女性と思われる遺体が山のなかで発見されました。すぐに迎えにいきますので出る準備御願いします。』 『分かった。いつもの場所で待ってるぞ。』 ついに死亡者が出た。ニュースに便乗して家出をしている若者が大半かと心の片隅にあったが、死亡者が出てしまった以上、『誘拐殺人事件』重大犯罪の可能性がある。 直ぐに黒いスーツに着替え、最寄りのコンビニに走る。照りつける太陽のお陰で額からはすぐに汗が吹き出し頬を伝い、暑い地面に落ち蒸発する。 コンビニに到着すると既に荒城の乗った黒いエルグランドが駐車スペースに到着していた。直ぐに助手席の扉を開け車に乗り込むと運転席の荒城はパトランプを車の上に取り付ける。 コンビニの駐車場から車道に出るのと、ほぼ同時にサイレンを鳴ならされる。前を走る車はハザードランプを点滅させ次々に車を端に寄せ停車していく。 『緊急車両赤信号通過します。緊急車両赤信号通過します。御協力有難う御座います。』 荒城は馴れたように赤信号を通過し目的地に車を走らせた。其ほどまでに此の失踪者の遺体が見付かった事は緊急を要するものであったのだ。
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