序章。悪夢の始まり。

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『先日、行方不明中の伊丹三咲の変死体が発見された。女性の司法解剖の報告書によれば眼球、全ての内臓が取り出されている、これは類をみない凶悪犯罪であり、我等は、これ以上被害者が出さない為にも一刻も早く犯人逮捕をしなければならない。』 ホワイトボードの前で声を荒げる四十代の男性、彼の胸には警視正安藤克徳と書かれた名札と、腕には捜査本部長の腕章が巻かれている。 熱弁を奮う安藤警視正の横に、腕組みし神妙な面持ちの新井警部の姿もあった。彼の腕には、捜査本部長補佐と書かれた腕章が巻かれている。 『安藤警視正、司法解剖の際に此方の被害女性の体内から、此方のマイクロSDカード摘出されたようです。中身は届いたばかりで確認出来ておりませんが、犯人に関係が在ることは明白。此の場を利用して再生しても宜しいでしょうか。』 警視正が小さく頷く、マイクロSDカードを持つ新井警部は部下である荒城巡査部長に再生する段取りを始めさせ。数分後にはパソコンに繋がれたプロジェクターから前のホワイトボードに情報が投影される。
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