act.0 プロローグなんてレベルじゃない件。

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act.0 プロローグなんてレベルじゃない件。

 視線をぐるりと彷徨わせれば、広がるのは見たこともない景色だ。  加えて、足元には奇妙な形をした草花。遠くから絶えず聞こえる獣の遠吠え。“ここ”が俺たちの街――もっと言うなら日本という場所ですらないと気付くのに、そう時間はかからなかった。  なんで、どうして、こんなことに。 「どうしよう、昴……?」  ……わざと意識から外していた人物が、弱々しく俺の名を呼んだ。 「ぼ、僕……、『女』になってるんだけどっ!?」  ああ、本当になんでだろう。  突然、光に包まれて。わけのわからぬ場所に放り込まれて。  挙げ句、俺の親友が『女体化』してるって、これは何の冗談だ――?
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