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玄関を閉め、一歩踏み出して大きく息を吐いた。
緊張して頼んでくれた食事の味をほとんど覚えていない。
彼のご両親もお婆様も彼と同じでとても穏やかで優しかった。彼の性格はあの家族とともに形成されたのだ。
「由香、疲れたよね。今日はもう帰ってゆっくりしよう。」
私の後ろから出てきた彼が背中に手を添える。彼の手のひらから体温を感じながら車へ向かう。
車内で彼は今後について雄弁に語る。
自分の理想と私の望みを突き合わせ先へ話を進めていく。
私もそんな彼を微笑ましく嬉しく思った。
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