フォルダ

4/21
前へ
/21ページ
次へ
※※※※※ 玄関を閉め、一歩踏み出して大きく息を吐いた。 緊張して頼んでくれた食事の味をほとんど覚えていない。 彼のご両親もお婆様も彼と同じでとても穏やかで優しかった。彼の性格はあの家族とともに形成されたのだ。 「由香、疲れたよね。今日はもう帰ってゆっくりしよう。」 私の後ろから出てきた彼が背中に手を添える。彼の手のひらから体温を感じながら車へ向かう。 車内で彼は今後について雄弁に語る。 自分の理想と私の望みを突き合わせ先へ話を進めていく。 私もそんな彼を微笑ましく嬉しく思った。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加