4 デパートに勤める四十代の独身女性小田さんの話

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彼女は、真面目だから世間体とかを気にして別れてしまいました。 そのために、前世から約束していた、たった一人の結婚相手を失ってしまいました。 しかし、「彼は、あなたがこの世を去るまでぴったりとあなたのことが心配で、共に一緒にいようと決心して、今も、ずっと横にいますよ」 と、私が彼女に言うと 「私も、そう思うのです。彼が自分の所にいないと思うと、手に持っている物が、不思議とはじき飛ばされることがあるからです。だから私は、彼と二人で生きていると思いながら生活していこうと思います」と言いました。 本当に悲しい物語です。 もう、取り返せません。彼女は今、両親が亡くなりたった一人でこの後の半生を過ごさなくてはならなくなりました。 「これからの人生は彼と二人で生きていくのだから、お宮の絵馬に二人の名前と、『私たち結婚しました。どうか、よろしくお願いします。』と書いて祈り。薬指にエンゲージリングをはめて彼と結婚できたのだと、常に思わなくてはいけません。 そうすることで、これからの人生が一人ぼっちの寂しさがなくなり彼と二人でいるのだと思えて幸せに生活できます」と、私は言いました。 彼女もさとり、納得してから別れました。 その帰り道で、彼が出て来て涙ながらに「ありがとうございました。彼女の所にいても、自分の気持ちを伝えることができずに苦しんでいました。」と、彼は何度も何度も感謝しました。 何百年もの間出会う事ができなかった二人は、やっと幸せに暮らしていくことでしょう。 今回生まれた二人には、地位や名誉などなくても、愛だけで良かったのです。それこそが素晴らしいのです。 あなたは、本当に愛する人と一緒にいますか。 もし、そうなら神に感謝してください。
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