第1章

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 半年後―。  彼は本を出版した。 ◇◆◇  だいすきな きみといっしょになることに やくそくや じょうけんなんて いるのか なにもなくて できなくてもいい あいするきもち ひとつあれば  それだけで  はなびらはいずれかれおちるけれど  それまできみをあとどれだけ  あいすることができるだろうか  まもれることができるだろうか  ぼくにはわからなかったけれど  さいごのさいごまでだれよりもきみの  ちかくにいれたことで それをしょうめいできたとぼくはおもう きみはぼくの こころのおくふかくにいつまでも いきつづけているから ずっとこのさきもまた とわにともに ともにともに ふたりみらいをあゆみながら まっすぐにあるいていこう ◆◇◆  私の看病生活を詩歌集にしてくれたようだ。 上手に喋れないから、知っている限りで辿々しい日本語で言葉を紡ぎ出し、 闘病生活中の人達を励まそうと思っているらしい。  頑張れ“文彦”さん。  或いは不変と言う名の豹変―了―
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