第1章

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俺の彼女はとても優しくて、気遣いのできる人だ。 些細な変化に気づいて心配してくれる彼女をとても愛している。 今日は一人暮らしをしている俺の家に彼女が泊まりに来ていた。 「あと数分後で付き合って一年経つね」 「そうだな。あっという間だった」 彼女から告白をされて、色々な事をしてきた。どれも、大切な思い出。 と、さっきまで楽しそうに笑っていた彼女が突然泣きそうな顔をして、 「……別れよっか」 そう言った。 あまりにも突然過ぎて、言葉も出ない。 そんな俺を見た彼女は困ったように笑った。 「私は、本来なら一年前にこの世にはいないの。けれど、どうしても貴方に私の想いを伝えたくて、一年間までこの世に残してもらったの」 段々と小さくなっていく彼女の声。 と、ツーと彼女の目から涙が伝った。 「私……!!本当に、貴方を……愛していたわ。だからこそ、貴方には、幸せに……なってほしい……!」 泣きじゃくる彼女。 俺はこんなに美しい人に愛してもらっていたのか。 思わず彼女を抱きしめた。 「俺も、愛してる。誰よりも何よりもお前を……」 抱きしめる力を強める。 「私もよ……一年前、貴方に想いを伝えてよかった。けれど」 俺から少し離れ、顔と顔を合わせる。 「12時にはシンデレラの魔法は消えてしまうのよ」 泣きながら、いつも見せる笑顔を見せる彼女。 「……さよならよ……」 そう言うと段々と彼女の体が透けていった。 「嫌だ……まだ、伝えきれてない。もっと一緒にいたい……!」 彼女は困ったように笑って、顔を左右に振った。 そして、右手で涙を拭いて、 「貴方のそう言うところ、嫌いだったわ」 ゆっくりと近づく彼女の顔。 そっと、彼女らしいキスをすると、彼女は光の粒となって消えていった。
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