最終章「その後」

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彼はおもむろに私を抱き上げ、どこかへと歩き始めた 「ちょっと!え?」 驚く私をよそに、淡々と歩き続ける 彼は一つの扉の前で足を止めると、片足で半開きのその扉を押し開いた 中は真っ暗闇で何も見えない そのままその暗闇に入ると、私はベッドのような所に寝かせられた 同時にギシッと金属が擦れるような音が響く 「そのまま動かないでね」 暗闇のどこからか怪しげな彼の声が聴こえる 今度は衣が擦れる音や金属と金属がぶつかる音が聴こえてくる 不気味な空気に圧され、その場から動く事が出来なかった
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