165人が本棚に入れています
本棚に追加
「…言った通りだろ。」
舐められた方は、何をされたか理解できなかった。
でも、とりあえずそう返すことにした。
味見をしたかったんだろうか。
甘さを確かめたかったのだろうか。
「スイカはあまいのがいいんだ。」
「そうだね。あまいスイカはうまい。」
「だろ!おれの口もあまあまだ。」
冗談めかしく1人は言った。
すると、もう1人はまた少しだけ距離を縮めた。
「…おまえの口は、本当にあまあま?」
「…あ、あまあまだ。」
「…味見、していい?」
味見?
また、頭の上に疑問符が現れた。
でも、味見したい気持ちはよくわかる。
子供は味見(つまみ食い)するのが好きなのだ。
「いいよ。…ぁ。」
舌を出して、味見を受け入れる準備をした。
子供は単純で無垢だ。
そして…無知だ。
「…いただきます。」
1人は律儀にそう言うと、出された舌をれろ、と舐めた。
最初のコメントを投稿しよう!