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俺はこの時まだこいつのことを恋愛対象として好きかどうかは、わからなかった。
いや、こいつならいいのかな、と心のどこかで思っていたのかもしれない。
もしかしたら、ただ認めたくなかっただけなのかもしれない。
「…ん…」
初めての”キス”は、少し甘くて酸っぱかった。
「…ハァ…」
こいつは、満足するまで”キス”をして熱を帯びた吐息を吐いた。
その眼はもう、Sexをするまえの女子と同じような”イロ”をしているのに、俺は気づいていた。
「なぁ…」
「ん？」
「男同士でも、Sexできるの？」
「…」
また直接的な言い方をするやつめ。
「ねぇ。」
「したいの？」
「だって、好きならしたいんじゃないの？」
好きじゃなくてもSexするんだよ、という言葉はのみ込むことにした。
そんなこと、こいつに教えなくてもいいか。
「…そりゃぁ、好き、なら…」
「じゃぁ、教えて。」
ぎゅ、と抱きしめられた。
抱き返してみて、あぁ、こいつは女子と同じくらいに華奢なんだと思った。
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