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華奢なんだ、と思ったと同時に、
こいつは女を抱けるのか、と疑問が湧いた。
正直、負けてしまうのではないか、いや、むしろこの身体は抱かれる身体だろ、と抱きしめながら思う。
…ここで。
もし。
俺がこいつを拒んだら。
こいつは他の誰かにこうやって依存するんだろうか。
…他の誰かを好きになって、こうやって抱かれるのだろうか。
…抱かれる、のだろうか…
こいつの髪の毛に、手を通す。
さらりとした指通り、絡まろうともせず、俺の指をすり抜ける。
「…?どうした?」
俺の腕の中で不思議そうにしてるこいつが少し動くと、その髪からほんのり甘い香りがした。
…ん?
シャンプーこんな香りだったっけ?
自然とその香りに誘われるように、俺はこいつの耳元…正確には、耳の後ろの髪に鼻を寄せた。
「…んッ」
…え。
くすぐったかったのか、こいつはぴくっと身体を一瞬だけ震わせて、鼻から声を出した。
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