スイカとキュウリ、それからSex。

30/34
前へ
/60ページ
次へ
華奢なんだ、と思ったと同時に、 こいつは女を抱けるのか、と疑問が湧いた。 正直、負けてしまうのではないか、いや、むしろこの身体は抱かれる身体だろ、と抱きしめながら思う。 …ここで。 もし。 俺がこいつを拒んだら。 こいつは他の誰かにこうやって依存するんだろうか。 …他の誰かを好きになって、こうやって抱かれるのだろうか。 …抱かれる、のだろうか… こいつの髪の毛に、手を通す。 さらりとした指通り、絡まろうともせず、俺の指をすり抜ける。 「…?どうした?」 俺の腕の中で不思議そうにしてるこいつが少し動くと、その髪からほんのり甘い香りがした。 …ん? シャンプーこんな香りだったっけ? 自然とその香りに誘われるように、俺はこいつの耳元…正確には、耳の後ろの髪に鼻を寄せた。 「…んッ」 …え。 くすぐったかったのか、こいつはぴくっと身体を一瞬だけ震わせて、鼻から声を出した。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

165人が本棚に入れています
本棚に追加