スイカとキュウリ、それから唇。

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その瞬間、1人と1人、すなわち2人、の背中に電気が走った。 ゾクリ 「…あまあまだった?」 「…わかんない。」 今のは、一体なんだろう? 「…じゃぁ、もっと舐める?」 「…うん。」 また、れろ、と舌を舐める。 でも、そんなんじゃ、甘さなんてわからない。 れろ、が、れろれろ、になって、 舐めてただけが、いつの間にか絡み合っていた。 でも、子供な2人は、無知な2人は、それが”異常”だとは思わなかった。 だって、それはただの”味見”だから。 「んぁ…味見…しにくぃ…」 「ぁ…じゃぁ…もっと近づく?」 「ん…ン…」 れろれろ、が、くちゅくちゅ、に変わった。 お互いが、お互いの口の中を探る。 「ん…あまい…」 「ぁ…だろ…」 味見って、一体なんだっけ? お互いがそう思った。 これ…味見だっけ? …ま、いいか。 疑問に思った2人だが、それ以上考えなかった。 子供は難しいことが嫌いなのだ。 嫌じゃないのだから、深く考える必要もない。
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