第一章 黒い化け物

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そんなお気楽ムードに包まれながらもリクはいくつか心に引っかかるものがあった。 子供部屋の写真立ての写真。 なぜ隣の人の顔が破られていたのか。 それに悪魔の召喚術などという本が、なぜあの部屋に? あの家は本当にクロの家なのか。 だとしたらなぜ僕の写真が? それにあの家の妙な心地良さは何だったんだろう。 悩めば悩むほど謎は深まるばかりだった。 「リクさん!おいていきますよ!」 思考の海に溺れかけていた僕をクロの声が引き上げる。 「あぁ。今行く!」 僕は走ってクロのあとを追いかけた。 剣術の修行に、悪魔の本の解読。 やらなければいけないことはいっぱいだ。 どうやら、忙しい旅になりそうだ。 そんなことを考えつつ僕たちはネイトへと向かっていった。
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