第一章 黒い化け物

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僕はとっさに問いかけた。 「そうですね、君たちみたいな人には化け物って呼ばれてますね。私のことは誰もわからないんです。」 「・・・・・。」 「ところで君はそんなところで何をしているんですか?」 「えっ・・ううん、なにもしてないよ・・。」 そういって僕は走り去ろうとした。 その背中にぶつかった声に僕は足を止めた。 「行くあてはあるんですか?よかったら手伝ってくれませんか?」 「・・・・・・・・なにを?」 「実は今旅の途中でして。この体だといろいろ不便なんです。だから、一緒に来てくれませんか?」 その悲しそうな優しい響きに僕は一瞬の迷いの後、決心した。 「いいよ。」 「ありがとう。君、名前は?」 「・・・・リクっていうらしい。」 「そうですか。リクさん、よろしくお願いします。」
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