第一章 黒い化け物

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その後僕らはクロの案内で僕たちはその人の家に到着した。 「ら・・び・・ん・?」 僕は必死に消えかけていた表札の名前を読む。 「そうです。ラビンは昔からの友人でしてね。僕の数少ない協力者なんです。」 「そうなんだ。」 そうこうしているうちにクロは家のチャイムを鳴らした。 「やぁ。久しぶりだね。」 30代後半くらいの男性だった。 昔は最前線で戦っていたであろう雰囲気漂っている。 快活な印象で、昔の父さんによく似ていると感じた。 といっても感覚でしか思い出せないのだが。 「やぁラビンさん。久しぶりです。」 「その子は?」 「私の仲間です。」 「お前に仲間、、、ねぇ? 死ぬなよ。」 最後の言葉は僕に向けてかと思ったが、クロに向けてだったらしい。 それにしても、殺すなよ。ならわかるが、死ぬなよとはどういうことだろうか。 「余計なお世話です。少しお話しをいいですか?」 「あぁ、もちろんだ。」 2人が中に入っていく。 僕も後に続いた。 「リクはここでしばらく待っていてください。」 「えっ・・・。」 動揺しつつもおとなしく指示に従った。 それからしばらく経ったが、なぜ僕は外に?と疑問に思うと同時に何を話しているのかも気になった。 「仲間なんじゃないのかよ。」 そう呟いて、静かに家の裏手に回って聞き耳を立てることにした。 「なぁ、あいつはお前のことしってんのか?」 「いや・・。まだ知らない。」 「大丈夫なのか?それ。」 「まぁ、なんとかなるだろ。」 驚いたことにクロの口調は全く違った。 この口調はまるであの時の・・・。 「で、やっぱあの子記憶が?」 「あぁ、完全に無い。」 「どうするんだ?」 「じきに戻るさ。」 「はぁ、、、。だといいが。けど、戻してその後は何か考えが?」 「特には考えて・・・。」 突然言葉が切れたかと思うと、しばらく物音がした後の後また2人は話し始めた。 「それにしてもあの子供。どこで拾ってきたんだ?」 ここまでの会話ですっかりあの子とは自分のことだと思っていたが、どうやら思い違いだったようだ。 「あぁ、あの施設の外でな。」 クロが施設を知ってる・・・? 「おい。」 「いや、失礼。洞窟の中で会ったんだ。」 「気をつけろよ?そんなんでこの先大丈夫か?」
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