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「あぁ悪い。用心するよ。それじゃあ、もう行くよ。ありがとう。」
その言葉を聞いた僕は慌てて玄関のほうへ駆け出した。その時、近くにあった木材に足を引っ掛けてしまった。
ガラガラガラ・・・・。
急いで玄関に向かったがもうそこには二人の姿があった。
「リクさん、どこにいってたんですか?」
大して驚いた様子もなくクロが言った。
「裏で音がしたようなんだが?」
ラビンが何事もないように言う。
「えっと・・・それは・・」
「イノシシでもいたのではないでしょうか?」
クロが思いついたように言った。
「あぁ、なるほど。」
どうやらラビンも納得してくれたようだ。
危ない危ない。
「それじゃあ、また。」
クロはラビンに別れを告げ、僕らはロビンの家を後にした。
「それで?次はどこへ?」
「ここからやや北西の一軒家へ行こうと思います。」
「また知り合いに会いに行くの?」
「いえ、私の家に。」
家・・・あったんだ。
「わかった。行こう。」
「はい。では行きましょう。」
そういって僕らは歩き出した。
僕がローブについた木くずに気づくのはもう少ししてからのことだった。
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