第一章 黒い化け物

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「あぁ悪い。用心するよ。それじゃあ、もう行くよ。ありがとう。」 その言葉を聞いた僕は慌てて玄関のほうへ駆け出した。その時、近くにあった木材に足を引っ掛けてしまった。 ガラガラガラ・・・・。 急いで玄関に向かったがもうそこには二人の姿があった。 「リクさん、どこにいってたんですか?」 大して驚いた様子もなくクロが言った。 「裏で音がしたようなんだが?」 ラビンが何事もないように言う。 「えっと・・・それは・・」 「イノシシでもいたのではないでしょうか?」 クロが思いついたように言った。 「あぁ、なるほど。」 どうやらラビンも納得してくれたようだ。 危ない危ない。 「それじゃあ、また。」 クロはラビンに別れを告げ、僕らはロビンの家を後にした。 「それで?次はどこへ?」 「ここからやや北西の一軒家へ行こうと思います。」 「また知り合いに会いに行くの?」 「いえ、私の家に。」 家・・・あったんだ。 「わかった。行こう。」 「はい。では行きましょう。」 そういって僕らは歩き出した。 僕がローブについた木くずに気づくのはもう少ししてからのことだった。
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