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律が私を誰かと重ねて抱いてる事は、最初から分かっていた。
分かっていても、遊びだけでも繋がっていたかった。
だから、こうして泣き顔を晒してくれるのはとても嬉しい。
「律だけよ、今は。」
力尽きて眠る律の頬をつつきながら、囁いた。
軽く、冗談っぽく言うのは昔からの癖。傷つきたくなくて。
だって、本気だって気付かれたら皆去っていくから。
ぎゅっと抱きしめて眠れば、律もまた距離を縮めるように腕を回してきた。
そばにいれるなら、セフレでもいい。
「いっぱい抱いて、律。」
誰かの代わりでもいい。
ぶつける相手になれるなら、何でもなる。
「キス・・してくれたね、最後は。」
律とのキスが一番好き。
1つになれる瞬間だから。
傷ついたような、悲しげなキスに何かを察しながらも彩は律のおでこにキスをし、微笑んだ。
何はともあれ、まだ彼女は私のそばにいる事にはかわりない。
「律・・愛してる。」
寝てるときにしか言えない愛の言葉を、今日も囁いた。
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