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「冬ちゃんが嫌じゃなければ俺たちの所に来てもいいんだよ?あっそんなに嫌な顔しないでよ…
でも俺が結婚前に住んでいたアパートもとっくに引き払ってるしなあ」
「そういうことなら、僕の家、来るかい?」
「え?」
突然の第三者の声に固まる私と、その兄。
声の主は部屋の奥の方から、ひょっこり顔を出した。見た目40~50歳くらいの男の人だった。
「杉戸教授…?!」
「いやあ、最近研究が忙しくてね。ちょうど家事やってくれる人がいないかな、と思っていたところだったんだ。」
「でっでも…!」
兄がアワアワしてる、珍しい。
杉戸教授、は確かお兄ちゃんが助手を務めていた教授だ。
そういえば、ちらほらと名前を彼の口から聞いたことがあったかもしれない。
兄が、そんなこと教授にさせられません!と慌てている中、私を引き取ると言い出して聞かなくなった教授。
知らない人と一つ屋根のしたで暮らすのは抵抗があったが、杉戸教授には下心と言ったものが微塵も感じられなかった。
それが、私にとって大きな好感を寄せさせた。
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