教授は◯◯がお好き

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##### 「明後日だって?明後日!!あのばあさんはいつから喧嘩を売り歩くような人間になったんだ!」 悪態をつきながらせっせとダンボールに衣服やら生活用品をぶち込む。幸い私の部屋は素っ気なく、持ち物も最低限のものしか持っていなかった。 はあ・・と本日何回目か分からないため息を漏らす。 頭の中は次の引っ越し先でいっぱいだ。 当てがないことはないが、出来れば避けたかった。 荷造りは一日を費やしたら案外早く終わった。冷蔵庫や食器棚、洗濯機などはもともとこの部屋の付属品だったから、大きな電化製品も特に持っていくこともなく、ダンボールは4箱くらいで収まってしまった。 シンプルで使い勝手も良いこの部屋を気に入っていたから離れたくはなかったが、仕方がない。 この日の夜は胸に小さな不安を抱えながら、お気に入りのヒツジのぬいぐるみを一層強く抱いて寝た。
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