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   平成25年度の数字だけど、全国の小・中・高校と特別支援学校で認知されたイジメの件数は、18万5、860件にのぼる。前年度より1万2千件余り減少したものの、依然として多くのイジメが存在しているのだ。  それにこの18万超は認知されている数字だけで、地下に深く潜っているイジメを含めると、恐ろしい数字になるだろう。  驚くことにこの18万の内、約64パーセントを小学校が占めているのだ。イジメは確実に低年齢化している。あどけない顔をした弱い魚が、もっと弱い魚をえじきにしているのだ。  しかもイジメの内容も深刻だ。 「冷やかしやからかい」が大半で、「遊ぶふりをして蹴られる」などの暴力、「無視や仲間外れ」の疎外。「危険なことをさせられる」など、命に関わることもあるらしい。  それによって小・中学校における、不登校児童生徒数は119、617人。高等学校においては、55、657人を数えている。  救われない話だ。深いため息に押し戻されながら、おれは懸命に自転車を漕いだ。そしてようやく学校にたどり着いた。  
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