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   この世には、『権力』『財力』『暴力』という、三つの力が厳として存在する。  その力の格差でおれたちは苦しんで、場合によってはいじめの原因にもなっている。  大人の世界にだって、いじめや差別は存在する。もっと未熟な子どもたちの世界に問題がない訳ではない。  その問題に目を向けるために、親は自宅で、教師はホームルームを利用して子どもたちをしっかり見て欲しい。  いじめを受けている子どもは、必ず何かのサインを出している。それに気づいたらうざいといわれようが、邪険にされようが、寄り添い話を聞いて欲しい。  子どもと一緒に悩み苦しむことだ。その先に必ず道が開けるはず。  きょういくとは、教え育てる『教育』ではなく、共に育つ『共育』だからだ。  NPO法人ジェントルハートプロジェクトの理事をされている小森(こもり) 美登里(みどり)さんは、いじめのない社会を目指し、還暦を迎えられる今も活躍されている。    それは、高校に進学したばかりの娘さんが、いじめが原因で自殺したのが、きっかけらしい。  小森さんは、娘さんが自殺をする四日前にいった言葉が、今でも忘れられないという。 『人間にとって、一番大切なのは優しさだよね。それを知らないあの子たちは、かわいそうだね』  いじめられて辛かっただろうに、いじめる生徒たちをいたわれる、そんな優しい娘を守れなかった。  その時の自分に後悔しているという。まともな対応をしなかった自分に、激しく後悔している、と。    いじめに関わった被害者も、加害者も、傍観者も、誰も幸せにはなれない。  それがイジメなんだよ。  
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