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   ──おれの長い『語り』は終わった。  中川たち保護者、それに担任の村田はハンカチで顔を押さえ、すすり泣いている。男性たちも深くうつむいていた。  最後の仕上げだ。  おれは敬語に切り替えた。 「中川さん、山口さん、池永さん。  今なら間に合います。間に合うんですよ。  あなたたちも、自分の子どもを犯罪者になんかしたくないでしょう。明るく豊かな未来を送って欲しいでしょう。ネット被害になんか会いたくないでしょ。今動かなかったら、小森さんのように必ず後悔しますよ。  お願いです。今すぐ、ダイチへのイジメをやめさせてください。」    真っ赤な目をして中川は何度もうなずく。山口も右に倣えで顔を縦に振る。  ただ池永だけは言葉にした。 「わかりました。みなさんと話し合って子どもたちに、イジメをやめさせます。体を張っていいきかせます。ですから、わたしたちを許してください」  池永が立ちあがり頭を下げた。慌てて中川と山口も立ちあがり、おれに深々と頭を下げる。流れる鼻水を押えながら。   「わかりました。ありがとうございます。どうぞ座ってください」  次に教師たちに顔を向けいった。 「教頭先生。あなたが主導されてこの部屋に入る前に、口裏合わせをしたことはわかっています。だからこそ、あなたが先頭に立っていじめを無くして欲しいんです」  教頭は黙ってうつむいている。無言の了解だ。  ダイチには障害があるし、イジメの証拠があるわけではない。それを利用して闇に葬ろうとしたのだろう。  
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