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   なかなか良く出来た回答だ。  教師や保護者の手前、いじめを認める訳にはいかないのが、教頭の立場だ。  これ以上話しても、教頭の態度は変わらないだろう。それに、もう話すこともない。   「わかりました。頭を上げてください。今の話をわたしは好意的に受けとります。  ただし──」  おれが話を切ったので、教頭は不安げに下からおれを覗きこむ。 「もしもダイチへのいじめが再発したら、わたしはわたしの持ってる力を総動員して、本気でみなさんを潰しにかかりますからね。これは脅しではありません。最初で最後の警告だと思ってください」  教頭は、ははっ、と大袈裟に頭を下げ、わかりました、と大きな声を飛ばした。   「それでは、よろしく頼みますね」  そういって、おれは帽子をかぶりサングラスをかけて席を立った。扉に手をかけ振り返ると、全員がおれに頭を下げて見送っている。おれの全面勝利だ。  失礼します、と静かに扉を閉めて部屋を出た。  
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