第四話 告白

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「莉緒、もう朝だから起きなさい」 「……はぁい」 起きるのが憂鬱なのは今日が月曜だから、というだけではない。 週末の打ち上げで、クラスメイトからからかわれた私と駿河は途中で帰り、二人でカラオケに行くという行動を起こしてしまった。 二人きりのカラオケは、それなりに盛り上がった。 私は懐かしいアニメソングやドラマの主題歌等を熱唱し、駿河はしっとりとバラードを歌っていた。 駿河は歌がとても上手で、打ち上げの時に歌っていたら、何人もの女子がメロメロになっていたと思う。 ……モテ要素がつまった人間なのに、女性が苦手だなんて本当に可哀想だ。 ”こんなムードのないところで、彼女の唇を奪う事は出来ないよ” ふと、駿河の放った言葉が頭の中でよみがえる。
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