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電車の中で横隣りに座っている駿河が、珍しく自分から話しかけてきた。
ちょっと前までは、彼との距離は大人二人分くらい空いていたのに、今は肩が触れそうなくらいの距離にいる。
「……橋本のことで、悩んでるの」
駿河は前を向いたままで、やや視線を落としたまま話し続けた。
「昨日のこと、橋本から話してきた」
「そっか、聞いたんだ……。土曜日、一度だけデートして欲しいって言われたんだけど、どうしたらいいか分からなくて」
「……君の好きなようにしたらいいんじゃない」
駿河の淡々とした口調と突き放すような言葉になぜか胸がチクリと痛んだ。
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