第1章

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凛の謎はもうひとつある。絶対に僕を彼女の家へ連れていってはくれないのだ。凛の両親、弟、お爺さん、お婆さん、それに親戚までも僕に紹介してくれて、とても良い関係を築いている。凛が実家に住んでいるのは知っているし、凛の両親とも仲良くしているのだから、何度も催促したけど猛烈に拒否されてきた。凛の部屋には何かあるのか?もしや、BLとかいうアレ系が好きで部屋の中は禁断の領域?いけない妄想をしちゃう僕だが、僕は決意していたんだ。 「凛にプロポーズする。」 それとなく凛とジュエリーショップへ行き、どんな指輪がいいのかリサーチしてから、予想外の値段の指輪を奮発して密かに購入した。もちろん凛には内緒である。サプライズも色々と考えた。ケーキの中に指輪を入れる?いや、紅茶の中に入れておくか?それとも、友人を密かに集めて急にダンスを踊り出す、アレでいくか?バンジーは問題外だな。結局、僕が選んだのは、「シンプル」素直な気持ちを凛に伝えよう。演出よりも僕の気持ちを伝えたいんだ。正直、拒否されるとは思ってはいないけれども、やはり不安感もあった。
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