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いつも待ち合わせをする、凛の家のそばにある小さな公園。僕はデートする約束をして、凛をその公園に呼び出したんだ。そう、この小さな公園が僕のプロポーズの場所。なんでもない、いつも使う公園。サプライズは、薔薇の花束を公園の丸いドーム型の遊具の中へみえないように隠した。返事をもらってから渡すんだ。喜んでくれるかな?心臓の鼓動がはやい。約束の一時間前に公園へきた僕。髪型は大丈夫か?鏡をなんどもみる。薔薇の花束は枯れていないか?心配になることばかりが頭をふらふらさせる。凛は来てくれるのかな?そんな馬鹿なことさえ考えてしまう有り様。時間の流れが遅く感じる。が、公園へ向かって歩いてくる女性をみた瞬間に、鼓動と時間が共鳴して、いっきに時の流れがはやく動きだした。
「ちょっと、もう来たの?はやすぎない。まだ、約束の30分前だよ。」
凛が笑いながら僕の方へ話しかけてきた。
「はやく着きすぎたみたい。」
目一杯の笑顔で答えたが、顔はひきつり声はうわずっていた。焦る僕。イメージと違う、もっとかっこよくスムーズに話しを進めるはずが、気合いをいれて僕は自分の両頬をバチーンと両手でひっぱたいた。
驚いた凛に向かって
「大事な話しがあるんだ。聞いて欲しい。」
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