第1章

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公園のブランコに乗っているふたり。流れる涙は止まらないが、だいぶ落ち着いてきた。どのくらい時間はたったのだろう?体感的には時間は止まっている。綺麗な僕の花嫁さんの凛。 「これからは、ずっと一緒にいられるんだね」 そう僕がいったとき、思い出したかのように突然、凛が険しい顔をして立ち上がった。 「やっぱり駄目。私には無理よ結婚なんてできない」 凄い勢いで号泣しだした。 「えっ?」 僕は頭が回らない。天国から地獄とはこの事。理由を聞いても 「ごめんなさい。」 謝るだけの凛。何度も聞いたが「ごめんなさい」の一言。凛の悲しみの涙が止まらない。僕は凛を強く抱きしめて、心を伝える。 「愛してるよ。どんなことがあったって、僕は凛のことを愛している。」 「本当に?嘘よ?私、嫌われたくないの」 「悩みがあるの?大丈夫。僕が凛を嫌いになるはずないだろ?本当に心から、いや、心の底から愛しているんだから。」 凛の頭を優しく撫でながら 「僕に話してみて?」 できるだけ優しく安心感で凛を包むように聞いてみたんだ。凛も意を決したようにポツリと話しだした。 「私は」 「私はね?」 「私は梅干しが大好きなの」
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