神様、私達はここにいます

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なんというか人には説明できないことは神様のせいにすれば良いという風潮がある気がする。 いや別に神様じゃなくてご先祖様とかサキュバスとか宇宙人でも何でも良いんだけど。 そうして知らない誰かのせいにすれば、 知ってる誰かの為にすれば、 自分が関係なくなる気がする上に、今してる事に対して心が軽くなる。 そんな感じの理由があるのでしょう。 「ひー君、冷やし中華出来たよー。」 最近やっと卵焼きを焦がさなくなった姉が、僕の部屋にカラリカラカラと氷が鳴る麦茶と、艶やかに麺やキュウリが水滴で光る冷やし中華を持ってくる。 どちらも夏にはもってこいな清涼感のある魅力があるのだろう。 まあ今の僕は部屋に閉じこもっているからよくわからないけど。 「はーい、ありがとねえっと。」 気力のない返事をしては、 僕はゴロゴロと寝転がって姉の方に向かう。 「もうひー君ってば。 そんなに冷やし中華欲しかったの?」 どことなく嬉しそうな姉がかちゃりと冷やし中華と麦茶の載ったおぼんを床に置くと、ちょうどそれが僕の顔の前にきた。 ついでに犬とかにしたら吠えらるくらい雑に、本人はそうは思ってないみたいな笑顔で頭をわっしゃわっしゃと撫でてきた。 ちなみに得体の知らない神様の為に頑張るとか、見たことない先祖のせいでこんなことになったなんて考えるのが、 シャイな性格のせいで出来ない僕の神様は、 そんな世界に一人しかいない姉である。
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