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「オイ、めくらの俺なんて見捨てて行け」
「伍長殿、あなたは見えないでしょうが、私もあなたの支えが無ければ、歩け無いのですよ」
その時彼らの傍に倒れていた兵士が叫ぶ。
「俺は戦えるのだ! 誰か握り飯をくれ! 弾をくれ! そうすれば俺は! 俺は、前線に戻るぞ! 」
そう叫ぶと兵士は息絶えた。
「死んだのか?」
「はい、最後の力で叫んだのでしょう」
「腹も減ったし、俺達も行くか?」
「行きますか?」
2人はそう言い合い、雑嚢の中から、このときのために最後まで残してあった、手榴弾を取り出す。
取り出された手榴弾を見た、直ぐ近くに倒れていた兵士が這いずり近づいて来る。
「お願いです、私も一緒に連れて行って頂けませんか?」
3人は互いに互いを支え頭を寄せ合う、鉄兜に2ツの手榴弾の点火具が叩きつけられた。
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