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…
「おばあちゃーーーん」
やってきた小さな天使は、
しわしわの手に小さな花束を渡してくれた
「…綺麗だねぇ。つんできてくれたの?」
車椅子の先に広がる色とりどりのお花をみて、
天使の頭をふわっと撫でた
柔らかな茶色い髪の毛、
天使は首を横に振った
「あっちで、クリクリの髪の毛のお兄ちゃんがくれたよ。
おばあちゃんに渡してねって」
また、クリクリの髪のお兄ちゃん?
…
不思議なものだね
毎年毎年、年を重ねるごとに
頭から消えていく記憶が殆どなのに
ここ数年間、
頭の中には、新たな思い出が
ふわふわと羽が生えたかのように
やってきていた…
「おばあちゃんのおとぎ話、
…きいてくれるかな?」
私はね、
その小さな瞳に年寄りの長話をした
聞いてくれるかい?
現実なのかおとぎ話なのかわからない話。
この話をするとね、
胸が痛くなるんだよ…
古びた時計のような鼓動が、
こんなおばあちゃんの胸に今更ね。。
…………大貴
空を見上げるとね、
貴方の顔が浮かんでくるよ
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