第1章

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… 「おばあちゃーーーん」 やってきた小さな天使は、 しわしわの手に小さな花束を渡してくれた 「…綺麗だねぇ。つんできてくれたの?」 車椅子の先に広がる色とりどりのお花をみて、 天使の頭をふわっと撫でた 柔らかな茶色い髪の毛、 天使は首を横に振った 「あっちで、クリクリの髪の毛のお兄ちゃんがくれたよ。 おばあちゃんに渡してねって」 また、クリクリの髪のお兄ちゃん? … 不思議なものだね 毎年毎年、年を重ねるごとに 頭から消えていく記憶が殆どなのに ここ数年間、 頭の中には、新たな思い出が ふわふわと羽が生えたかのように やってきていた… 「おばあちゃんのおとぎ話、 …きいてくれるかな?」 私はね、 その小さな瞳に年寄りの長話をした 聞いてくれるかい? 現実なのかおとぎ話なのかわからない話。 この話をするとね、 胸が痛くなるんだよ… 古びた時計のような鼓動が、 こんなおばあちゃんの胸に今更ね。。 …………大貴 空を見上げるとね、 貴方の顔が浮かんでくるよ
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