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「いいよ。。。もう。」
「え??」
…驚いた顔で、彼はこっちをみた
そりゃそうだ…
自分が死んだのに、私は涙一つこぼしていない
冷静だった
「どうせ……長くない命だから。。
死ぬのいつか怖がる手間が省けた。
それはそれでよかったよ。」
…
…
怒られるんだろうな。
そう思った。
命を粗末に扱っている
人生で何度も言われたその言葉を待って、
私は身を固めた
…
その言葉はこなかった
ふわふわの彼は、悲しそうな哀れむような顔で私を見ていた
それはまるで、何かを悔やむような顔だった
彼は私の頭に手をおいてぽんぽんと撫でた
「…………そっか。。
怖いもんなー。死ぬのって。。」
これが、彼との出会いだった
私はね、彼のことをただの天使だとおもっていたんだ。
笑顔が可愛くて、明るくて、
何の曇りもない晴天の青空のような彼をみて
私は「本物」の天使だと思ってた
だけど、違っていたんだ
あの時あなたが見せた表情は、
後悔の表情だった
あなたは、生粋の天使じゃなかった
あなたの片足には悪魔がいた
あなたの足には、天使はいなかった
ぷかぷかと浮かぶ天国と地獄のドア、
その黒いドアに似つかわしくない
あなたの笑顔は
痛みのない世界に来た私の心を
優しく包み込んでくれた
天国の中二階…
私はここで恋をする
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