苦-rain-

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「願わくば」 悲しみに紛れたと思っていた 強くありたいと願った あの日の約束は 寂しさに紛れたと思っていた 変えたいと思った明日が 崩されていくとして それでももがくことを 君が笑うならばそれでいい 本音を隠したつもりはないけれど 強がりに埋もれていたんだろう 君の癖を見破るのは こんなにも簡単だったのに 涙に紛れたと思っていた 弱さを捨てたいと願った あの日の選択は 太陽に焼かれたと思っていた 眩しくて、眩む 残像に、目を凝らす 変えたいと思った僕が 奪われていくとして それでもあがくことを 君が笑うならばそれでいい 僕を見て、揺れる 目を閉じて、目を凝らす 嘘に紛れたと思っていた 失いたくないと願った あの日の後悔は 本音に紛れたと思っていた 君の肩に触れる髪を 撫でるように風に流れる ***
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