苦-rain-

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「月灯り」 慣れた言葉を頭で繰り返して 理不尽な今に少し苛立ったりして 目の前に広がるのは あるはずのない景色 今、月が満ちて もしこの手に力が宿るなら 僕はなにをすればいいのだろう 今、ようやく光が届いた もしその目に僕が映るなら 僕はなんて言えばいいのだろう ただ地面を踏みしめて 立ち尽くすだけの夜に あるはずのない影を探した 失くしたくない 忘れたくない もし我儘だと言うのなら 他になにを求めればいい? また慣れた言葉を繰り返して 途方のない今に少し悲しんだりして 今広がれと願うのは あるはずのない景色 いつからか思い出になってしまった 君を愛しく想う ***
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