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「独白」
目に映った月があるとして
僕が願いを告げることはないだろう
目から零れた露があるとして
僕が想いを告げることはないだろう
生まれ落ちたら泣いていた
涙の意味なんて知りもしないくせに
いつかは簡単に泣けなくなる
必要ないとでも言うように
君が泣くのはずるいと思う
赤ん坊でもないくせに
君が泣くのはずるいと思う
堪えることさえしないだなんて
目に映った月があるとして
僕は願いを告げることはないだろう
月明かりが照らす街を見て
言葉を紡ぐこともないだろう
大嫌いな君にもひとつ
愛せるところがあるんだ
醜くなければ愛せないよ
目に映った月に祈りを捧げる
根付いた想いが消えないように
***
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